弊社がレセコンを売り出さない理由

弊社がレセコンソフトを作成しない理由は、以下の理由があります。

1.保険診療に係る保険制度の頻繁な(月単位での)変更に、小規模の会社で
  は短期間(通常発表があった後数日間)に即座に対応できない。

  現在、介護保険も含め、保険診療に係る変更が月単位と呼べるほど頻繁に
  行われています。富士通・NEC・IBM等の大企業においては、多くのプログ
  ラマーやDM(オペレータ)によりデータ入力・データチェックが行われて
  おり、即座に対応がなされています。しかも、制度変更日(時間)に合わ
  せてコンピュータ内で自動的にプログラム変更・データ変更が行われるた
  めに、制度変更を意識せずレセコンが使用できる点も優れています。さら
  に、レセコン機能に加えて自動算定や警告設定も制度変更に伴い自動設定
  されます。至れり尽くせりのハードメーカーにより作成される全自動レセ
  コン機に追従する機能・規模のレセコンの作成は、小規模の会社では責任
  を持って提供することは困難であると考えています。

2.レセコン機能組み込みの医療情報システムは、障害が起こりやすい。

  1985年当時、大学にてオーダリングシステムに参与していた時に最も問題
  として捕らえていたことは、医事会計システムと他のシステムとの整合性
  でした。コンピュータソフトは、一部変更を行うと整合性が崩れる危険性
  があります。特に、現在、頻繁に変更が行われています医療制度・保険制
  度の改革では、医事会計を含んだ医療情報システムに障害が発生する危険
  性が大きいと考えています。又、それに伴う全体的なシステムの変更は、
  多額の保守・変更費用が必要となります。コスト面からも不経済と考えら
  れ、現在の時点では、医療経営上からも医事会計システム(レセコン機能)
  と他のシステムは切り離す方が良いと判断しています。

3.レセコン機能が医療情報システムの使用環境を悪化(レスポンス低下)さ
  せる。

  1985年当時より国立・公立病院診療情報システムでは、医事会計システム
  が稼動した状態での他のシステムのレスポンス低下が問題となっていまし
  た。現在では、メインフレームも含めコンピュータの性能が格段に上がっ
  ていますが、頻回に変更される医事会計システム(レセコン)による各シ
  ステムへの影響(システム障害)を防止する意味からも、レセコン機能の
  変更に伴う全体的システム調整(保守費用)のコスト的な面からも、医事
  会計システム(レセコン)は、診療支援システムから独立した部門として
  稼動すべきであると考えています。